ピアノレッスンのヒント
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コンクールの古典(クラシック)
ピティナコンペのクラシック(古典)の選曲はどうなっているだろうか。
B級からソナチネアルバムに掲載のクーラウやクレメンティのシンプルなソナチネが入ってきて
C級からは、それらのソナチネの難易度がB級よりアップ。
D級からは、モーツァルトやベートーヴェンのソナタが入ってくるが、ソナタとしては規模も小さくて技巧的にもそれほど難しい箇所がない曲。
E級からは、モーツァルトやベートーヴェンのソナタの第1楽章や終楽章がたくさん選択できるようになり、
F級では、E級と重複している曲も多く、さらに多くのソナタが選べるといった具合。

これらの難易度設定は感覚的には概ね合っているように思う。
もう少し詳しく見ると、
B級でソナチネの1楽章を弾くいうのは生徒さんの実力によっては大変なことだろうが、今年はテュルクの1ページの曲もあるのでその辺りを選ぶのもいいかもしれない。
C級だと5・6年生が大半なのでソナチネの1楽章を弾くくらいの実力は合って欲しいところ。
今年はフンメルの練習曲集よりスケルツォもあるのでこれを選ぶのもいいだろう。
D級ではソナタが選べるが、この級の選曲はちょっと多彩さに欠ける。
モーツァルトやベートーヴェンのソナタでD級に該当するレヴェルの曲が少ない。
モーツァルトのKV332やベートーヴェンの第1番第1楽章・第5番第1楽章などが定番で、これらの曲は数年の短いスパンで課題曲に入っている。
今年は少し変えてベートーヴェンの1番のどの楽章でも選択できるようになっているが、これは少し工夫を感じる。

E級とF級はベートーヴェン・モーツァルトに加えてハイドンやシューベルトが選べる。
昔に比べるとF級で選択できる曲の難易度に幅があるのはご存知だろうか。
例えばF級のベートーヴェンでも第1番の終楽章や第7番の第1楽章が選べるが、これらの曲は昔はF級には入っておらずE級のみで選べる曲だった。
つまりはF級の曲の難易度が下に広がった=参加しやすいようにしたというように思われる。
現代の忙しい(?)中学生や高校生が、しかもピアノを専門に勉強するわけでもない人がF級に参加することが難しいので難易度を下げたのだろう。
そうでもしないとF級に参加者は極端に少ないので、曲の難易度にかなり差があることになるが、これはこれで仕方がないのかもしれない。

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| 音楽雑感 | 23:56 | comments(0) | - | pookmark |
コンクールのバロック
生徒や保護者だけではなくピアノ関係者にもピティナのコンペの課題曲についていくつか質問されることがある。
よくあるうちの1つが級わけに対して曲の難易度はちょうどいいのか?というもの。
それは私自身も毎年のように思うところではあるので、今回それについて触れてみる。

例えばバロックではバッハを弾くことになっていて
C級(小6以下)でインヴェンション
D級(中2以下)でシンフォニアやフランス組曲から
E級(高1以下)で平均律やイギリス組曲から
F級(高3以下)で平均律やイタリア協奏曲やパルティータから
などとなっている。

小5や小6でインヴェンションをちゃんと弾くというのはそう簡単なことではないだろう。
小さい頃からそれなりピアノを頑張って練習してきていないとインヴェンションには辿りついけないし、仮にそのレヴェルに達していないでコンペのために無理やり仕上げるのはどこかムリっぽさが演奏に出やすい。

まぁそれでも数歩譲ってインヴェンションまではいいとしても、
中2以下のD級でシンフォニアは厳しいと思う。
それこそ本人がそれまでにインヴェンションを弾けてきたことが前提だし、それなりに良い先生についていないとシンフォニアを弾けているレヴェルには至らないだろう(ピアノの先生を名乗っているのにシンフォニア15曲を勉強していないセンセーというのはいるものです。たとえ初心者や初級者のための先生だとしても勉強は必要なので、先生を名乗る人はシンフォニアを避けてはいけないと思う)。
だからこそフランス組曲が選べるという救済策(?)があるのだろうが、フランス組曲3番のアルマンドとシンフォニア9番ではレヴェルが違いすぎるように思うが・・・

そしてE級やF級になると平均律クラヴィーア曲集となるが、もはやこれだと専門的に勉強する領域である。
ピアノをよほど頑張っているか、またはかなりのバッハ好きか、頭脳がかなり明晰か、音楽の専門分野への進学を視野に入れているかじゃないと中学生や高校生では容易には平均律を弾きこなせないのでは。
もちろん平均律のフーガといえどいくつかはシンフォニアより弾きやすいのもあるし、救済策(?)としてヘンデルやスカルラッティも選べることも多い。
しかし平均律のプレリュードとフーガの両方を弾くという時点でピティナのコンペはバロックが難しい課題という印象を受ける・・・

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| 音楽雑感 | 07:33 | comments(0) | - | pookmark |
清らかな女神よ
ショパンは公開演奏の少ないピアニスト・作曲家だったとされていますが、同時に他のピアニストの演奏にもあまり関心が無かったとも言われています。
よく行っていたとされるのがオペラの演奏会で、ベッリー二のオペラがお気に入りだったというのが定説です。
しかし我々ピアノ弾きや指導者にとってイタリアのオペラ作曲家であるベッリーニは必ずしも身近な作曲家とは言えないでしょう

私も以前はベッリーニを歌う方の伴奏をしたことがある程度でほとんど知りませんでした。
いくつかのオペラを知って鑑賞してみたのは10代も終わりの頃から。
オペラ「夢遊病の女」や「ノルマ」は映像で通しで何度か見たり、オペラのいいところどりのアリア集なども聴くようになりました。
それからかなり時は経ち今ではピアノ曲を聴く頻度よりも歌を聴くことが多いかもしれません。
そしてこうしたパソコンに文字を打つ時もオペラのアリア集はよく聴いていて、ルネ フレミングの歌う「ノルマ」より「清らかな女神よ」は素晴らしい。
ショパンがこうした声の音楽のファンだったとしたらやはり私たちピアノ弾きも声の良さをもっと実感することはいいピアノ演奏へのヒントとなりそうです。
ベッリーニの他のにも同時代のドニゼッティ、もう少しあとの時代だとレオンカヴァッロやチレア、プッチーニなどのオペラアリアも聴きやすくて盛り上がりもあって素晴らしいですからピアノ弾きさんたちには若いうちから聴いて親しむのをお勧めしたいですね。

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| イタリア | 22:32 | comments(2) | - | pookmark |
ハイドンの鍵盤ソナタ
今年の初夏の頃にハイドンのソナタにじっっくりと取り組む機会がありました。
生徒がコンクールに出るにあたって古典派のカテゴリーからはハイドンのソナタを選びたいとのこと。
古典派の中からというと私たちピアノ指導者はモーツァルトかベートーヴェンという2択にどうしてもなりがちだと思うので、生徒の側からハイドンというのは新鮮な提案でもあります。
生徒が言うには動画を見ていてハイドンのソナタで気に入る演奏があったので初めて挑戦してみたいと思ったそうです。
私もその動画を聴いてみましたが、確かにこの映像ではなかなかいい感じに聞こえます。

ただし、もしかしたらそれはそのピアニストが単にハイドンのソナタを上手く弾いていること以外の、全く別の要因も考えられます。
それは私たちはモーツァルトやベートーヴェンのピアノソナタの、特に第1楽章や終楽章の多くを弾いているしたくさん聴いてもいるので、
「モーツァルトはこう弾いて欲しい」とか
「ベートーヴェンではこのような演奏が好ましい」などとつい思ってしまうのです。
つまり、もう既に好きな演奏スタイルが自己の中に確立してしまっていると思います。
それはピアノ歴が長くなるとたくさんの経験上から出来上がってくるとその人の音楽観であり大事なことでもあると思いますが、悪く言うと先入観であり固定概念にもなりかねません。

そこでハイドンなのです。
ハイドンのソナタのいくつかの曲は弾いたことがあっても数十曲を勉強したという指導者はあまり多くはないのではないでしょうか。
ですから私たちがハイドンのソナタの演奏を聴くとはあまり先入観がなく聴けて、その演奏の軽快な指さばきや演奏者の表現
したい音楽を純粋に楽しむことができるのかもしれません。

ちなみに日本だけではなくハイドンの鍵盤作品が世界中でそれほど浸透していない理由の一つはおそらく楽譜がきちんと整備されていないことでしょう。
しっかりとしたソナタ全集を出版している楽譜出版社が極めて少なく作品番号も混乱気味なのはずっと以前からの課題です。
これについてはまたの機会に整理してみたいと思います。

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| オーストリア | 16:22 | comments(0) | - | pookmark |
音楽の使い方
北京冬季オリンピックからだいぶ時間が経ちましたが最近になってフィギュアスケートを見返しています。
女子シングルではアンナ・シェルバコワが金メダルだったわけですがフリーでは質の高い4回転フリップを入れるなどほぼ完璧とも言える滑りが素晴らしい。
4回転を入れられないショートはどうだったでしょうか。
実はここでエテリ・トゥトベリーゼのコーチのチームの音楽の使い方がうまいと思いました。
シェルバコワはもちろん世界のトップの選手ではありますが、スケーティングそのものだけを観ると日本の坂本選手ようなスピード感と滑らかには二歩くらい劣るように思います。
さらに3回転の連続ジャンプも坂本選手には一歩及びません。ダブルアクセルもそうです。
身のこなしはとてもよく、もう登場してくる段階から雰囲気を作れていますしが、これで普通にショートを演技すると3位か4位になってしまう可能性もありそうな・・・

そこをチームが音楽の使い方と振り付けで上手くやっていると思います。
イスラエル出身の作曲家のInon Zurの弦楽の曲を2つ繋げて使っており、そこに黒い衣装と少し小悪魔っぽいメイク。
この曲がバロック時代のヴィヴァルディのような感じでありながらも現代の音楽の斬新さも合わせ持っていて、さらにそれにあった振り付けを最後の最後まで徹底しているので、全体としてとても素晴らしいプログラムに見えるのです。
結果はショートで2位でフリーにつなげます。
これがもしショート4位くらいだとたとえ点差が僅差だとしても印象がイマイチになったことも考えられますがそうした事態にならない工夫とも言えそうです。
ショート、フリーともに2位で合計点で1位金メダルという結果もおそらく偶然ではなく綿密に計算されたものだったのかもしれません。

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| 音楽とスポーツ | 08:03 | comments(0) | - | pookmark |
厳格なルール
冬のオリンピックも終わってしばらくたったので少し書いてみたいと思います。

フィギュアスケートではジャンプの回転不足で減点ということが、特に団体戦の宮原選手の時に話題になりました。
演技の通しで見た場合には「あきらかに回転不足」というような印象は無くても、個別のジャンプをよく見たり、スロー再生してみると確かに回転は足りていないような・・・

このような場合には厳格にルールを適用して、75%の分の点数しか入らないというのはスポーツの採点としてはやはり正解でしょう。
「だいたい回転しているのでは?」とか「スローで何度も見ないとわからないくらいのジャンプに点数を下げるのはどうなのか?」といった考えももちろんあると思います。
しかし、それを厳格に適用するからこそ選手はジャンプで回転不足をとられないように日頃から気を使って練習するわけですし、競技の発展という意味でも必要なことでしょう。

これがピアノのコンクールの採点とは少し異なるところです。
「このパッセージが弾けていないから5点分を減点」というような採点の基準が、ピアノのコンクールにはありません。
たとえミスが少々あっても全体の流れを重視して高めの点数をつける人もいれば、細かいミスでも気になって点数を抑え気味にする人もいます。

スポーツの採点競技はフィギュアスケートに限らず、以前よりも点数の付け方が明確になってきました。
全体の印象のみで点数がつくのはスポーツの発展という意味でもちょっと不明瞭ですから、これは良い方向なのだと思います。

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| 音楽とスポーツ | 12:30 | comments(2) | - | pookmark |
タブレットに表示
先日のBS放送でアンジェラ・ヒューイットがバッハのインヴェンションとシンフォニアを演奏している演奏会を放送していました。
その様子ですが、暗譜ではなく楽譜・・・というか、タブレットを見ながら弾いていました。
タブレットに楽譜が表示されているのがテレビ画面からもわかりましたが、これは最近少しずつ見かける光景です。

私もタブレットに楽譜を表示するアプリを入れて時々使っていますが、特に所持していない楽譜をネット上で探してとりあえず見てみる時にはとても便利です。
書き込み機能などもあるのである程度はレッスンにも使えるのですが、タブレットの画面の大きさだと楽譜表示には少し小さい気もします。

楽譜専用の大きな表示の機械物も既に発売されていますが、まだまだ本体が高価であることや日本では使用頻度の高い教本類が著作権の問題などでそれらにまだまだ対応していないことなどから、レッスンの現場で主流にはなるのはもう少し先のことかもしれませんが、今後は確実に普及していくと思います。

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| ピアノ情報ミニ | 23:14 | comments(0) | - | pookmark |
クロード・ドビュッシー
2018年になりました。今年もよろしくお願いします。
ピアノ関連では今年はフランスの作曲家ドビュッシーの没後100年という記念年になるようです。

ドビュッシーは日本ではアラベスク第1番や月の光などが昔からテレビCMなどでも使用される機会が多い作曲家です。
ピアノや音楽に日頃は触れていない方でも、一度はドビュッシーの曲を聴いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

ピアノの学習と上達ということからドビュッシーを見てみると、弾きやすさと難しさの両方を持っている作曲家のような気がします。
アラベスク第1番などはブルクミュラー25練習曲の修了程度の実力でもがんばれば弾くことができますが、響きや流れをよく感じてちゃんと演奏しようとすると簡単ではありません。
また、前奏曲集や映像、エチュードなど音楽的にも技術的にも非常に多彩で難しい曲も多く残していますので、上級者にとってもやりがいのある作曲家です。

今年はドビュッシーがコンサートで演奏される機会は多そうですから、注目していきたいです。

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| フランス | 13:15 | comments(0) | - | pookmark |
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